なぜ、11日間も眠らずにいられたのか?
あなたは、どのくらい起き続けていられますか? |
1965年、米国サンディエゴの高校生ランディー・ガードナー君は、クリスマス休暇の自由研究のために、ギネスブックの不眠記録260時間に挑戦することを思い立ちます。
そして幾度も襲いかかる眠気と戦いながら、ついに264時間12分、つまり11日間の不眠記録を打ち立てました。
深夜から早朝にかけては、体内時計のリズムからいっても、最も眠たい時間帯です。このときにウトウトしかけると、ガードナー君はラジオを聴いたり、バスケットボールやドライブをして眠気をまぎらわせました。
さらに眠気が強くなると、「ただ目を休ませたいだけなんだ」と言って、しばらく目を閉じることがありました。挑戦に立ち会っていた睡眠専門家は、このときにマイクロスリープを取っていたと考えています。
動物達の不思議な眠り方
ツバメの仲間には、空を飛びながら眠るツワモノもいます
長時間の睡眠をまとめてとることができるのは、食物連鎖の頂点にいるライオンのような強い動物だけです。また、多くの動物は、細切れの睡眠を繰り返して、トータルの睡眠時間を稼いでいます。
人間よりも変わった眠り方をしている動物もいます。セグロカモメは1日に5時間ほど眠りますが、常に周囲への警戒を怠らず、1分以上目を閉じていることはありません。
また、日本の野鳥の中で一番早く飛ぶアマツバメは、繁殖以外では空を飛び続けています。夜間にレーダーを使ってアマツバメを追跡すると、一晩中飛び続けているうちで、何度も急降下することが分かりました。このときに瞬間的に眠って、地上に落ちる前に目覚めているのです。
この鳥達の変わった眠り方は、マイクロスリープで睡眠不足を補える可能性を示しています。